“地犬(じいぬ)”と呼ぶのですが、
そういう意味では、琉球犬も“地犬”になります。
沖縄には、この琉球犬以外にも、
南大東島に「南大東島犬(大東犬)」という犬がいました。
正確には「いました」という過去形には断定できないのかもしれませんが、
最近では見聞きしなくなりましたので、
絶滅している可能性が高いと思っています。
実は、20年位前に私も飼っていたことがあります。
当時でも、5頭くらいしかいない希少種でした。
犬の形は、毛長で、脚が短く、琉球犬とは全く違うタイプでした。
残念ながら、画像はありません。
「約120年前に、八丈島に行った移民開拓団の一部の人が戻ってきて、
その時にダックスフンドのような、毛長で、脚が短い犬を近親交配させた、
まだ歴史の浅い、新しい犬」
だと岐阜大学の田名部雄一先生が言われていました。
田名部先生の話では、
・柴犬に近い日本犬型で、毛長、脚が短いもの
・西洋犬と雑種化したと思われる小形で、毛長、脚が短いもの
という、
「南大東島犬(大東犬)」には2種類のタイプがいるそうですが、
系統繁殖や保存はなされていない、ということでした。
東京の渋谷駅前の忠犬「ハチ公」は秋田犬、
東京の上野駅に隣接する上野公園には西郷隆盛の銅像があり、
その犬は薩摩犬ですが、
明治時代から西洋犬が輸入され始め、純粋な日本犬は少なくなっています。
これから犬を飼われる人には、
ぜひ日本の“地犬(じいぬ)”を見直してほしいと思うのです。
「南大東島犬(大東犬)」は“琉球犬”とは全く違うのですが、
沖縄の“地犬(じいぬ)”という広義の意味で、
「琉球犬の種類」のカテゴリーに入れておきました。