2006年03月07日

「愛犬ジャーナル」への“琉球犬”についての寄稿−2

今から12年前の1994年7月号から同年12月号まで、
平成6年戌年・ゴージャス特集
古いタイプの日本犬「琉球犬(いぬ)」
『君知るや うるま島の虎毛犬』(「うるま」とは、琉球の古名です)
というタイトルで連載した記事内容を、
当時の原文のままご紹介させて戴いて居ります。

このブログで、今までにご紹介した内容と重複するところもありますが、
ご了承下さい。

紙.jpg
1994年7月号(bS17)の後半

麻布大学獣医学部 田名部雄一
琉球犬(りゅうきゅういぬ)は、
沖縄本島北部の山原(やんばる、名護市以北)地方と、
八重山地方(石垣島)に棲息してきた在来犬である。

地元では、「トゥラー・アカイン」と呼ばれており、
主に猟師によってイノシシ猟の猟犬として使われてきた。

「トゥラー」とは、“虎”のことで、
毛色が赤虎(黒と茶色)、黒虎(黒と灰色)、白虎(白と黒)
などの毛色のものが多いのでこの名が出た。

毛色には、このほかに赤(茶色)のものがある。
「アカイン」とは赤犬である。

沖縄県では、
縄文前期(6千年前)の渡具知東原遺跡および崎樋川遺跡、
弥生時代(2千年前)の宇堅貝塚、久良波貝塚でイヌの骨が出ている。

琉球在来犬の確かな記録はないが、
戦前から山原(やんばる)地方と八重山地方に、
「トゥラー・アカイン」と呼ばれる
特徴のある犬が飼育されていたことは確実である。

名護博物館には、昭和初期のこの犬の剥製が所蔵されている。

また、近年は、
山原(やんばる)地方に
この虎毛犬が約50頭残っていると言われていた。

そこで筆者は、
この山原地区の虎毛犬の形態と遺伝子構成について、
琉球大学農学部新城明久教授と
島袋正敏氏(当時名護博物館長)とともに、
はじめて本格的な調査を行った。

その結果、
この虎毛犬の集団の持つ遺伝子構成は、
今まで調査された日本犬種中では
北海道犬(アイヌ犬)によく似ていること、
朝鮮半島の在来犬特有の遺伝子をほとんど持たないことがわかった。

このことからこの虎毛犬は、
日本犬の最も古い型のものと考えられた。

この調査がきっかけになって、
沖縄県において在来犬の飼育・形態調査が行われると共に、
平成2年4月1日に琉球犬(りゅうきゅういぬ)保存会が設立され、
血統登録が始まった。
(会長新垣義雄氏:
沖縄県食肉衛生検査所第一課長、前沖縄県動物管理センター所長)

琉球犬には、山原(やんばる)系と八重山系があり、
平成4年3月現在の血統登録頭数は、242頭である。

琉球犬の形態調査は新垣義雄氏によって行われた。
.jpg
これによると、
体高は、
・ 山原系雄 46.3cm、同雌43.4cm
・ 八重山系雄49.6cm、同雌47.3cm
体長は、
・ 山原系雄 49.6cm、同雌47.3cm
・ 八重山系雄54.7cm、同雌50.9cm
体重は、
・ 山原系雄 14.7s、同雌12.9s
である。

この成績は北海道犬と似ており、中型犬に属する。
琉球犬の特徴.jpg
毛色は、
・ 赤虎62.5%
・ 黒虎23.4%
・ 白虎 6.3%(虎毛合計92.2%)
・ 赤  7.8%
で、圧倒的に虎毛が多い。

また、胸に白い毛のかなり大きい斑がある。

舌斑は全体の8.7%に見られたが、
八重山系23.3%、山原系2.7%である。

狼爪を持つものは、全体では15.0%であるが、
八重山系では23.3%と高く、山原系では12.6%と低い。

尾は、全体では差尾は92.5%(巻尾は7.5%)で、
八重山系では差尾は90.3%(巻尾は9.7%)であった。

耳は95.3%は立ち耳で、耳垂れは4.6%であった。

毛は短い。

ストップは、他の日本犬に比べてかなり浅く、
浅くほとんどないもの50.0%、
中間のもの37.5%、深いもの12.5%であった。

吻(ふん、「=口の長さ」)も、長いものが73.4%と多い。

胴は長いものが多い。


さらに続きますが、次回にさせて戴きます。

posted by トゥラー at 23:43| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞・犬専門誌など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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