2006年02月07日

“琉球犬”の血液検査からみた特徴〜その5

060207琉球犬の仔犬.jpg
2月3日以降続いていた「血液検査の結果」シリーズは今回で終了です。

専門的用語が飛び交い、面白くなかったと思いますが、
「“琉球犬”の特徴」の説明として、ご容赦戴きたいと思います。

遺伝子頻度分析による“琉球犬”の認定
イヌの血液タンパク質遺伝子のうち、
多型を示した16座位の遺伝子について、
それぞれの犬種ごとに遺伝子頻度を調べて、
その遺伝子頻度から分散共分散行列を作り、
コンピューターで主成分分析を行いました。

データは分かりにくくなるので省略しますが、
この結果日本犬種は、下記の3種類に分けられました。
・北海道(アイヌ)犬と“琉球犬(山原系・八重山系)”
西表在来犬、屋久島在来犬の集団
・韓国の珍島犬、済州島在来犬群と近い三河犬、山陰柴犬、対馬犬群の集団
・これらの中間に位置する多くの日本犬種の集団

特に、
イヌ血球ヘモグロビンA型遺伝子(HbA)
イヌ血球ガングリオシドモノオキシゲナーゼg型遺伝子(Gmog)
イヌ血漿プレトランスフェリンA型遺伝子(PtfA)
という3つの座位の遺伝子は、その分布から、
日本犬には朝鮮半島を経由して入ったに違いない、という結論に達しました。

さらにこれらの遺伝子頻度が朝鮮半島のイヌでは高く、
日本にいるイヌでは低いという結果が出ました。

これは、これらの遺伝子の流入前に、
その対立遺伝子を持ったイヌが、
既に日本にいたことを示す重要な手がかりだと思われるのです。

以上のことから、
日本最南端の“琉球犬”と、日本最北端の北海道(アイヌ)犬は、
縄文時代に縄文人に連れられて南方から来た、
古い型のイヌの子孫であると考えられる
のです。

同時に、他の多くの日本犬種は、
南方由来のイヌと、弥生時代以降に弥生人および古墳時代人に連れられて、
朝鮮半島から来たイヌとの、
混血によって成立した犬群の子孫であると考えられます。

このように、イヌの遺伝子の導入ルートから、
日本列島へのヒトの渡来ルートも推定されるのです。

また、北サハリンの在来犬は、遺伝子分析の結果、
日本犬種の成立には直接関係が無いことも明らかになりました。

以上の結果から「血液検査」に基づいて、
イヌ血球ヘモグロビンA型遺伝子(HbA)
・イヌ血球ガングリオシドモノオキシゲナーゼg型遺伝子(Gmog)
の朝鮮半島から浸透した遺伝子を保有しない在来犬を
“琉球犬”として認定することにしたのです。

琉球犬保存会による琉球犬血統書を交付した犬は、
全て純粋な南アジア系の遺伝子であるHbAGmogを持つもので、
今から13年前の平成5年12月当時で134頭を認定したのです。

当時認定された琉球犬で、
現在、生存が確認されているのは約20頭になりました。

現在は、それらの子や孫が主流となって引き継いでいるのです。

これらの純粋な血を絶やさないように後世に伝えたいと思っているのです。


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2006年02月06日

“琉球犬”の血液検査からみた特徴〜その4

060206琉球犬.jpg
イヌ血漿プレトランスフェリンA型遺伝子(PtfA)について
ユーラシア大陸北部で優越している遺伝子で、
ヨーロッパ南部ではその頻度が低くなります。

珍島犬や済州島犬などの韓国犬では、その頻度が高いのですが、
“琉球犬”および北海道(アイヌ)犬ではその頻度は低いので、
朝鮮半島を経由して入ってきたイヌと
南方から来たイヌとの違いが、
このPtfA遺伝子によっても示されると考えられるのです。

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2006年02月04日

“琉球犬”の血液検査からみた特徴〜その2

060204琉球犬の仔犬.jpg
イヌ血球ヘモグロビンA型遺伝子(HbA)について
イヌ血球ヘモグロビンには、電気泳動法で分離すると、
・ 泳動速度の速い「A型」
・ 泳動速度の遅い「B型」
・ A型とB型の両方の泳動帯からなる「AB型」
の3型があります。

これらはヘモグロビン(Hb)座上の
共優性遺伝子HbAとHbBによって支配されています。

このうち、HbB遺伝子は、
「アジアの犬種にのみ見出される」
という特徴があります。

HbA遺伝子は朝鮮半島の犬(珍島犬、済州島犬)に濃厚に検出されています。
日本犬には朝鮮半島からHbA遺伝子が入りましたが、
日本の南端の“琉球犬”、北端の“北海道(アイヌ)犬”には、
ほとんどこの遺伝子は浸透しませんでした。

以下は朝鮮半島系のHbA遺伝子と南方系のHbB遺伝子の濃厚なランキングですが、
数字はかなりアバウトですから、
参考までに「こんな感じなのか」という程度でご覧下さい。

HbA遺伝子の濃厚なランキング
1.エスキモー犬(100%)
2.珍島犬(約90%)
3.済州島犬(約70%)
4.三河犬(約50%)
5.山陰柴犬(約20%)
6.対馬犬群(約20%)
7.壱岐犬群(約10%)

HbB遺伝子の濃厚なランキング
1.ヨーロッパ犬種(100%)
2.ロシア犬種(100%)
3.バングラディシュ在来犬群(100%)
4.中国原産犬種(100%)
5.台湾在来犬群(100%)
6.西表島犬群(100%)
7.琉球犬・八重山系(100%)
8.屋久島犬群(100%)
9.四国犬(100%)
10.琉球犬・山原系(約98%)
11.沖縄本島犬群(約98%)
12.奄美大島犬群(約98%)
13.秋田柴犬(約98%)
14.美濃柴犬(約97%)
15.種子島犬群(約96%)
16.三重・南島実猟犬(約96%)
17.甲斐犬(約96%)
18.信州柴犬(約96%)
19.北海道犬(約95%)
20.紀州犬(約95%)
21.秋田犬(約93%)
22.三重・志摩実猟犬(約92%)

次回は、
イヌ血球ガングリオシドモノオキシゲナーゼg型遺伝子(Gmog)について
記述する予定です。


posted by トゥラー at 16:25| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月03日

“琉球犬”の血液検査からみた特徴〜その1

060203琉球犬ー白.jpg
本日以降、数日は「血液検査の結果」を分けて記述しますが、
専門的用語が飛び交い意味不明と思われる方が多いと思いまので、
面白くないと思う人はご遠慮なくこのセクションは飛ばしてしまって下さい。

“琉球犬”の血液の遺伝学的結果については、
1歳以上の64頭について、
採血後血漿(けっしょう)と血球に分離してマイナス40度で保存し、
岐阜大学に16項目について検査を実施依頼し、
“琉球犬”の血液蛋質多型を支配する遺伝子構成と遺伝子頻度を
以下のようにまとめました。

遺伝とは、
親の形質(色,形,大きさ,性格)が子に伝わること(遺伝形質)で、
・ メンデル第一法則(メンデル優性の法則)
・ メンデル第二法則(独立組み合わせの法則)
・ メンデル分離の法則
・ メンデル独立の法則
から、“琉球犬”の遺伝を解明できるのです。

以下の1〜16までの項目は「遺伝子座(いでんしざ)」です。
「遺伝子座」とは染色体やゲノムにおける遺伝子の位置のことを言います。
英語などではLocusと呼び、これはラテン語で場所を意味する単語です。

A、B、C、D、E、F、O、Sはイヌの遺伝子型です。
「遺伝子型」とは、
ある生物個体の表現形質に対応する遺伝的背景の型のことを言います。
一般にどんな対立遺伝子がどのような組み合わせで存在するかを表しています。

小数点以下の数字は遺伝子頻度です。


1.血漿プレアルブミン(Pu-1)
・ A:0.424
・ B:0.576

2.血漿アルブミン(Alb)
・ F:0.229
・ S:0.771

3.血漿ポストアルブミン(Poa)
・ A:0.374
・ B:0.288
・ C:0.338

4.血漿ポストアルブミン‐3(Poa-3)
・ A:0.824
・ B:0.176

5.血漿プレトランスフェリン(Plf)
・ A:0.222
・ O:0.778

6.血漿トランスフェリン(Tj)
・ A:0.000
・ B:0.579
・ C:0.385
・ D:0.035
・ E:0.000

7.血球ヘモグロビン(Hb)
・ A:0.050
・ B:0.950

8.血漿アルカリ性ホスファターゼ(Akp)
・ A:0.918
・ B:0.082
・ C:0.000

9.血漿エゼリン抵抗性エステラーゼ(Es)
・ A:0.117
・ B:0.765
・ C:0.117

10.血漿ロイシンアミノペプチダーゼ(Lap)
・ A:0.782
・ B:0.218

11.血球エステラーゼ‐2(Es−2)
・ F:0.599
・ S:0.401

12.血球エステラーゼ‐3(Es―3)
・ A:0.100
・ B:0.500

13.血球グルコースホスフュイトイソメラーゼ(GPI)
・ A:0.950
・ B:0.050

14.血球テトラゾリウムオキシダーゼ(To)
・ A:0.991
・ B:0.009

15.血球ホスファターゼ(Pac)
・ S:0.012
・ F:0.988

16.血球ガングリオシドモロオキシゲナーゼ(Gmo)
・ a:0.967
・ g:0.033

posted by トゥラー at 15:27| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月01日

“琉球犬”の遺伝学的特徴について

石垣島の県立八重山商工高校が選抜高校野球に出場することが
昨日の午後に決定したことで、
NHKの「太陽カンカン」という番組でも、この話題が急きょ入り、
私と“琉球犬”生出演の予定時間が数分ズレてしまいました。

昨日の沖縄本島は激しい雨でしたが、NHKの配慮で、
豊見城市の「あしびなー」(那覇空港近くのアウトレットモール)の
「室内で撮影して戴きました」ので、
“琉球犬”も元気に出演することが出来ました。

とりあえず撮影が無事に?終わったことをご報告しておきます。


“琉球犬”の遺伝学的特徴(1歳以上の64頭の調査結果)
1.毛色
・赤トゥラー 63%
・黒トゥラー 23%
・白トゥラー  6%
・赤犬     8%

2.ストップ(類段部)
・浅い   48%
・深い   12%
・中間   38%
・なし    2%

3.耳
・立ち   95%
・半たれ   5%
・たれ    0%

4.尾
・差尾   64%
・半差尾  31%
・巻尾    5%

5.吻(ふん、「=口の長さ」
・短い   27%
・長い   17%
・中間   62%

6.毛長
・短毛   75%
・長毛    6%
・中間   19%

狼爪1.jpg
7.狼爪(ろうそう)
狼や縄文犬としてのなごりであり証(あかし)です。
狩猟の時に、急ブレーキの役目を果たすのではないか、と言われています。
狼爪2.jpg
・あり   14%
・なし   86%

舌斑の撮影ク敗画像.jpg
8.舌斑(ぜつはん)
これも狼や縄文犬としてのなごりであり証(あかし)です。
舌の一部に黒い斑が出ることで、狼には必ずあるものです。
・あり    9%
・なし   91%
画像は、舌斑を撮影できなかった失敗作です。
次の機会に上手く撮影して差し替えたいと思います。


posted by トゥラー at 11:55| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月30日

“琉球犬”の体型調査の結果

060130琉球犬.jpg
1歳以上の“琉球犬”
山原(やんばる)系の雄13頭・雌19頭
八重山系の雄9頭・雌6頭
について、
下記の12項目の測定を実施しました。
・ 体高
・ 十字部高
・ 体長
・ 胸囲
・ 胸深
・ 胸幅
・ 腰骨幅
・ かん幅
・ 座骨幅
・ 尾長
・ 頭長
・ 体重

参考までに、代表的な数値を上げておきます。

1.体高
山原(やんばる)系の雄46.3cm・雌43.4cm
八重山系の雄49.6cm・雌46.9cm
2.体長
山原(やんばる)系の雄49.9cm・雌47.3cm
八重山系の雄54.7cm・雌50.9cm
3.胸囲
山原(やんばる)系の雄55.4cm・雌52.4cm
八重山系の雄61.3cm・雌58.2cm
4.体重
山原(やんばる)系の雄14.7s・雌12.9s
八重山系は雄・雌とも20kg以上

この結果から、犬の大きさによる部類分けでは、
“琉球犬”は「中型」に属し、
また“琉球犬”の体型は北海道犬(アイヌ犬)と類似していること
が分かりました。


posted by トゥラー at 09:49| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月29日

“琉球犬”の調査

060128琉球犬の仔犬.jpg
少し古いデータになりますが、
沖縄県内における“琉球犬”の調査をしたことがありますので、
その結果を記述しておきます。

専門的な用語が出てくるので分かりにくいと思いますが、
大まかに捉えていただければよろしいかと思います。

平成2年2月〜11月まで、“琉球犬”と思われる情報に基づいて、
沖縄本島と石垣島において、
採血と個体の12部位の測定を実施しました。

実施頭数は、
・ 沖縄本島 76頭
・ 石垣島  28頭
の合計104頭でした。

血液による遺伝学的検査と専門部会の認定審査に基づいて
合格した64頭に「琉球犬血統書(基礎)」を交付し、
これら64頭のうち1歳以上の47頭の個体について
詳細な体型調査を実施したのです。

体型調査をされた47頭の産地別内訳は、
・ 沖縄本島(以下、山原系) 32頭
・ 石垣島(以下、八重山系) 15頭
でした。

遺伝学的特徴については、64頭全てに対し8項目の調査を依頼し、
血液については、採血後血漿と血球に分離してマイナス40度に保存し、
岐阜大学に検査を依頼しました。

明日以降、
・ 体型について
・ 遺伝学的特徴について
・ 血液検査の結果
を、簡単に記述させて戴きます。

posted by トゥラー at 10:17| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月28日

“琉球犬”の保護に向けての課題

060128白トラ.jpg
“琉球犬”については、
・ 虎毛または赤の毛色を持つこと
・ ストップの浅いものが多いこと
・ 胴のびの良いこと
などの特色があります。

これらの特色は、保護・保全のために重要な指標であり、
みだりに外見の優美さの向上のために選抜すべきではないと思われます。

現在、本島北部の山原(やんばる)と
八重山(石垣島を中心とした八重山諸島)の二系統があり、
血液遺伝子からは両群に差は認められません。

しかし、可能であれば両系統は交雑せずに別系として保存すべきでしょう。

この際、留意すべきことは、近視交配を避けることです。

したがって、生まれた子犬の数が減るなど近交退化現象が出てくれば、
両系の交雑によって、これを避けることも必要となるかもしれません。

毛色については、虎のみでなく、赤も残すべきです。

虎同士の交配でも赤が出現しますし、
赤と虎を交配すれば虎と赤(虎のみの場合もあります)ができますし、
赤同士を交配すれば赤を生じます。

個体数があまり多くない現状では、
虎と赤の両系統に分けず、
相互に交配して維持するのが良いと考えられます。

平成5年度に作成した「“琉球犬”の保護に向けての課題」を
参考までに記述しておきます。


“琉球犬”の保護に向けての課題
1.他犬種との雑種を作ってはならない。
  そのためには雌犬を飼育する会員は必ず犬舎を設置する。

2.種付けに際しては、保存会の計画交配のもとに実施し、
  雌犬の主、雄犬の主、第三者の会員の立会いに交配を行うこと。

3.種付け報告、分娩報告をすみやかに必ず保存会事務局に連絡すること。

4.生産された仔犬は全て保存会の管理のもとで譲渡する。
  個人での譲渡、売買は一切行わない。

5.遺伝学的には虎毛同士の交配で10種類の毛色が出現する。
  優性遺伝で虎毛(黒トラ、赤トラ、白トラ)、
  劣性遺伝で赤、その他の毛色が出るが、
  保存会として認定する毛色は虎毛、赤とする。
  その他の毛色については経過を観察する。

6.系統的には、山原(やんばる)系と八重山系の二系統があるが、
  血液遺伝子からは両群に差はない。
  しかし、体格において、八重山系が若干大きい。
  保存会としても出来るだけ系統間繁殖を行い、
  それぞれの特性を生かしてゆく。

7.底辺の拡大に伴ない、選抜沙汰を厳密に行い、
  琉球犬として最もふさわしい遺伝形質を持った犬を
  保存、増殖、普及してゆく。

8.今後の琉球犬の活用について、十分検討してゆく。
  家庭犬、狩猟犬、その他。

9.みだりに改良や選抜を行わず、
  琉球犬は貴重な遺伝遺産であり、生物資源でもある。
  琉球犬は古代我々の祖先が神世の時代から残してくれた
  沖縄の生きた文化遺産として、後世に残してゆく。

posted by トゥラー at 09:57| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月27日

“琉球犬”審査基準の13項目

060127琉球犬の仔犬.jpg

琉球犬保存会では、調査資料に基づいて、
理想とする“琉球犬”のタイプを決め、
計画交配や展示会での審査の基とするために、
平成3年度に“琉球犬”審査基準(標準)を
下記のように13項目定めています。
(原文のまま記載します)

1.ストップは浅いものを良しとする。

2.耳は鈍三角形にて逆八の字形にピンと立つ。
  耳間幅はやや広く、耳の過大、過小、立たないものは減点とする。

3.目は明瞭にて、虹彩濃茶褐色、目尻はつり上がらない。
赤犬は明瞭にて、虹彩金色、ただしマスクは茶褐色。

4.鼻梁は真直ぐ、口物やや長く引きしまり、
  歯牙は噛み合わせ正しく、
  アンダーショット、オーバーショット、歯牙欠落、乱歯は減点とする。
  虎毛及びマスクの鼻色は黒、赤犬の鼻色は赤とする。

5.頭頸は適度に幅広く、頬部、頸部は良く引きしまっている。

6.四肢、前肢は真直ぐに趾きん握す。
  後肢は力強く趾張り趾きん握す。

7.胸は前躯よく発達し、胸幅広く、胸深い。

8.背線真直ぐにて、腰幅広く、力強い。

9.毛色は黒トラ、赤トラ、白トラ、赤犬(マスクも含む)の
  四色に区別され、虎模様は美しく明瞭なるものを良しとする。
  胸の白斑スポットのないもの、あるいは過大なもの、
  四肢端白斑の過大なものは減点とする。

10.被毛は短毛から中間毛を良しとする。長毛は減点とする。

11.尾は刀身の形状にて差尾を良しとする。 
   長さ、太さ、形状に着目する。

12.気質、品位は素朴感あり、人なつっこいが、
   他の動物に対する感覚は鋭敏である。
   臆病なもの、凶暴性を帯びるものは減点とする。

13.一般外貌、雌雄の表示判断として、体躯均整を得る。
   栄養管理不適当なものは減点とする。陰睾も減点とする。


ご覧戴いたように、専門用語が飛び交って、
なかなか難しい言い回しになっています。

多くの犬の審査基準も同様な言い回しですが、
参考までに、柴犬の審査基準のサイトもご覧戴くと、
やはり難しいものとなっています。


今日は「13項もむの審査基準」の紹介だけに留めて、
機会のあるごとに、分かりやすく解説したいと思っています。

posted by トゥラー at 10:21| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月25日

“琉球犬”について

沖縄県における在来犬(“琉球犬”)や在来豚(アグー)、
在来鶏(チャーン)等は、
沖縄戦によって壊滅的な被害を被りました。

“琉球犬”は、
激戦を免れた沖縄本島北部地域と八重山地域に
わずかに生存していた犬による繁殖で、種族の保存がなされてきました。

その確かな「記録」自体は存在しないのですが、
戦前から本島北部(やんばる)や八重山において
“琉球犬”をイノシシ狩りに利用して十分活用されており、
現在でも狩猟を目的とした愛犬家が増えているのが現状なのです。

060125トゥラー.jpg
“琉球犬”は、前回の記述のように
平成2年4月1日の「琉球犬保存会」の設立に伴ない命名された言い方で、
それ以前は
『トゥラー(虎)』、
『アカイン(赤犬)』
と呼ばれていました。


『トゥラー』は、その毛色模様に由来する沖縄方言で、
その色合いの違いによって
下記のように幾つかの細分された呼び名があります。
・ 黒トゥラー  黒地×茶のストライプ(虎毛)
・ 赤トゥラー  茶色×黒のストライプ(虎毛)
・ 白トゥラー  白地×黒のストライプ(虎毛)
・ アカイン   茶一色の赤犬


“琉球犬”の特徴
・ 性質がとてもおとなしく、犬のグループとしての狩猟に適しています。

・ ストップ(全頭骨の額段部)が浅い(短い)。
これは、縄文犬の大きな特徴です。

・ 耳がピーンと立ち、八の字状を呈し、
その左右の間隔が広く、胸の幅や胸の厚みが豊富で、前躯の発達が良い。
これは、もともと狩猟犬であるために、
獲物を捕獲するまでの持久力を必要とすることから生じた特徴です。

・ 尾は差尾が多く、全胸部の白い胸毛のスポットも共通しています。

・ 臭覚はイノシシ狩りに使われるほど極めて鋭く、
また敏捷性も優れ、勇敢でありながら、飼主に対してはとても従順です。

・ 生きた小動物には敏感に反応を示します。

“琉球犬”のルーツに関する研究をした
麻布大学の田名部雄一教授の遺伝学的調査結果によると、
前回のように
縄文人が日本に渡来してきた時に連れて来た犬(縄文犬)と
弥生時代に朝鮮半島から弥生人と一緒に入ってきた犬(弥生犬)との混血が、
現在の日本犬の基礎になっています。

これに対し、“琉球犬”は朝鮮半島からの遺伝子の流入が少なく、
北海道犬(アイヌ犬)や台湾在来犬(高砂族の犬)と遺伝子構成が近く、
南方アジア系の縄文時代の古い犬に属することが分かったのです。

このように、“琉球犬”は、
極めて古い時代の遺伝子形質を持った貴重な「生きた文化遺産」であり、
今後、より純粋の系統の“琉球犬”を増殖・普及させて
後世に残してゆく必要があるものと考えているのです。

posted by トゥラー at 14:02| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 琉球犬の特徴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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